2016年2月のある日…


 ペンギン村の河口から5kmほど、花見川をさかのぼった川沿いの道は私のお気に入り。海鳥も水鳥も、里山で見かける野鳥も悠々と羽根を休めたり、餌を探したり。一昨日のように晴れた週末は、子どもたちが公園でボールを転がしていて。自転車を走らせていると、自分がこの広い冬空に浮かぶ雲の下で生かされている実感が身体を温めてくれる。コートに当たる硬い風の冷たさとのコントラスト。芝生の上を歩き回るツグミが、例年よりまるまる太っている気がした。暖冬だからなのか。本来ストイックさ溢れる野の鳥なのに。

「こんなもの毎日、無料で配信されているよ。ダウンロードはできないけれど…本当はダウンロードして所有できるものなんて何一つないのかもな」

メールで親しい友人に送ると、空に無限に広がっているから所有する必要はないよ、色即是空空即是色、云々と返信があった。昨年の三月に東日本大震災追悼の声明コンサートを観てたどり着いた気持ちを思い出した。私のギター教室に通ってくださった、野田にあるお寺のご住職はお元気だろうか。色々と深いお話を私にしてくださった。またお会いしたいなぁ。


 youtube上に転がっている映像、まだありました。一昨年の十一月、千葉にある外国人が集まるBARで、私が進行役を務めていたアコースティックギターのイベントに来てくれたツトムさんとのセッション。Gypsy Kings の曲を転調して軽く二人で、なシチュエーション。その年の五月辺りにした丸刈りもだいぶ伸びた時期。


https://www.youtube.com/watch?v=-etuUa43v2w


 ギターを弾く自分が、自分の中でようやく受け入られた感じがあった時期で、ツトムさんと演奏するのが純粋に楽しかった。最後に私、下駄みたいな顔で笑っていますが、体重は110kgくらいでしょう。使っているギターは沖田ギター工房で作って頂いた KENYA モデル(兄)です。現在、工房内に入院中で、代わりに(弟)が娑婆で活躍しています。ご覧になってみてください。
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# by kenya-guitar | 2016-02-09 16:06 | プロフィール | Comments(0)

そして次の日…

 昨日blogに上げた映像、早くも静かな大反響を頂きました。調子に乗ってもう一つ。


https://www.youtube.com/watch?v=lknUNovrcO8


 私の住むペンギン村にある、三陽メディアフラワーミュージアム(旧名、千葉市花の美術館)での演奏。2012年2月とあるので、前述の Kenya Suzuki the namako groove を始動させる少し前。確かに同じギターを使っているので、体重も同じくらい(130kg)。夜中に冷蔵庫をがさごそ漁りながら、炊飯器に炊きたての飯三合を食べたりしていまして、朝起きた妻に怒られるのは日常茶飯事でした。声を大にして改めて言いますが、45kg減の現在です。

 向かって左のベーシストは Steve 、野球帽をかぶり、さながら競馬場に出没しそうな出で立ち。でも、荒ぶることもなくものすごく温和な方です。中央にいるのは Graham 君。二月の日曜日、気持ちいい陽気の昼下がりから、赤ら顔。どうしてか、いつも赤ら顔。
 演奏は jazz standard ですけれど、何も考えずにぶっつけ本番だったのでスペイシーで浮遊感ある空気が気に入ってます。

 試しに、観てみてください。
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# by kenya-guitar | 2016-01-12 17:36 | プロフィール | Comments(0)

2016年1月のある日…

 新年明けましておめでとうございます、と書くのも躊躇われる、松の内からだいぶ経った今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

 今日の昼下がり、花見川沿いのサイクリングロードを自転車でぶらっと。河口付近、ペンギン村から5kmほど上流に向かうと古くからの里山が広がっているため、海岸沿いで見かけない野鳥がたくさん。つがいのコブハクチョウ、鴨、バン、ツグミにアカハラ、カワセミが気持ち和ませてくれます。祝日の今日は、公園で親子連れががボール遊びもしていて。あぁ、生かさせられているなぁ…上流から川に沿って吹いてくる冷たい風に当たりながらも、じわり湧き上がる幸福感。

 ところで、年末に私の映像がyoutube上に転がっているのを、ウズベキスタン人の友人が教えてくれました。今から四年前、体重130㎏時代の貴重な(?)映像。ちなみにステージ上で履いていたパンツは当時かなりきつく、45㎏減の現在は深めにベルトを締めないとずり落ちてしまいます。
 雨降る6月の夜、地下にあるロック系ライヴハウス。湿度がやたら高かったのが映像の質感からも伝わるでしょうか。Graham君はオックスフォードで元気にしているんでしょうか。バンドの皆さんも、私の作った曲に付き合ってくれたな、と思い出します。

 試しに観てみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=v6bqlj34kb4
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# by kenya-guitar | 2016-01-11 15:35 | プロフィール | Comments(0)

2015年12月の演奏予定


 12/26(土) 千葉市美浜区高浜 稲浜ショップ 10:30


         Laos Project ワークショップライヴ
                   鈴木健也(gt.)
                   田中真理(gt.)
                   marco.(crystal bowl、voice)


 忙しさにだだ流しされているなあ、と気付いた頃には既に十一月。自作曲を聴いていただける場も、もう少し設ければ良かったか、と反省していた矢先に一本の電話が携帯に。地元のペンギン村にあるショッピングセンターで演奏してくれ、との依頼なのでした。

 それでは、ということで先日の駐日ラオス大使館で演奏したユニットで。ミニマルミュージックと、世界の民族音楽から影響を受けた音楽とジャズの融合、ができるのかというアコースティック音楽。ペンギン村のショッピングセンターの一階からお届けします。
 入場無料、楽器持込・参加O.K.(大音量のものは不可)、その場所その時間でしかできない音楽をみんなで作りましょう。
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# by kenya-guitar | 2015-12-16 15:45 | スケジュール | Comments(0)

 『 〇☓国の物語 』




  『 〇☓国の物語 』


 遠い遠い昔の話、〇☓国の物語。

 この国では十八歳の成人式、子どもたちを船に乗せて大海原に放り出して旅をさせます。

 一つの船は「〇号」、子どものころから〇だけ教え込まれた子どもたち。もう一つの船は「☓号」、子どものころから☓だけ教え込まれた子どもたち。それぞれの船に乗って一週間、生まれて初めての船旅をするのでした。


 あいにくの天気でしたが、出発の朝は〇☓国の港。

「大丈夫かなあ…」
「私は小さい頃から、ずっと〇しかしていないから、きっと帰れるわ」
「オレだって!もう大人だ!ずっと☓一筋だから帰れるに決まっている!」

ちょっぴりの不安の中、それぞれの子供たちは、お父ちゃん、お母ちゃん、兄弟、姉妹、お爺ちゃん、お婆ちゃんから見守られています。

「えっへん、えっへん。諸君、ガンバりたまえ!!」

〇☓国の王様はチョビひげで誇らしそうに子どもたちに声を掛けると、「〇」「☓」それぞれの旗を掲げた二隻の船は港を出発します。夜明けと共に、帆にたっぷりの風を受けながら。


 一日目、順風満帆。
 二日目、晴れ時々雨。
 三日目、曇り。
 そして四日目、とうとう嵐がやってきました。


 港から遠く離れた海、真っ暗な空の下で波が激しく大きくなっては全てを呑み込もうとしています。

 「〇号」の子どもたちは、幼いころから徹底的に教え込まれた「〇」だけを純粋に守って、荒れ狂う海の上で船を必死に守ります。
 「☓号」の子どもたちも同様。小さいころから習ってきた「☓」の教えだけを健気に守って、船を港に戻そうと必死です。


 それでは港では、と言うと。

 海が嵐になった、と知ったお父ちゃん、お母ちゃんが喧々囂々の大騒ぎ。

「オラの息子は、ずっど〇だけ教えてきたから!帰ってくるのは絶対に〇号だ!」
「あんたのトコと違って、ウチの娘は☓だけ教えてきました。ですから…ですから、☓号が戻って帰るに決まっています」
「いいえ、〇号に決まっていますわ!」
「なんだと!ぜったいに☓号だ!」

 それから一日経ち、二日経ち、二隻の船が帰らない港は次第にドヨ~ンと。淀んだ空気が流れていました。大人たちが子どもたちのために、と一所懸命太い木を切り倒して作った船のマストもあの嵐では…。ひょっとしたら、座礁して船もろとも海の中に…。お父ちゃん、お母ちゃんの頭をよぎるのは不安ばかりです。
 それでも、人生経験豊富な◯☓国の長老は

「心配するな。オラの子供のころには嵐があってもたくさんの子どもたちが港に帰ってきた。信じれば良い。ただ、子どもたちを信じれば良い。オラたちの育てた子どもたちだ」

うつむいては悲しい顔のお父ちゃん、お母ちゃんたちの肩を、長老たちとお爺ちゃん、お婆ちゃんたちは一緒に叩いて回って励まします。お母ちゃんたちの目には、うっすらと涙が浮かんでいました。


 五日目、船は帰ってきません。
 六日目、やっぱり船は帰ってきません。
 七日目、帰ってくる予定の日にも二隻の船は姿を現しませんでした。


 不安はますます募るばかり。王様は気が気ではありません。

「えっへん、えっへん。どうなっておるのじゃ!!港で一晩中、寝ないで見張りを続けるのじゃ!!」

そうは言われても、見張り番の人夫だって嵐の日から寝ないで子どもたちの帰りを待っています。

「はい!王様!」

元気よく、それでも内心は渋々と人夫は返事をしたのでした。



 そして、八日目の雲一つない晴れた朝。望遠鏡をのぞいた見張り番の人夫が大声を上げました。

「なんだ!?ひょっとしたら子どもたちの二隻の船か?」

伝令の人夫は大慌て。王様のところに駆けつけると、王様は大慌てで飛び起きます。これまた大慌ての家来に準備をさせて、真っ白い馬にまたがって港に駆けつけます。たくさんの家来も引き連れてきました。

 遠く離れて見える海の上の小さな点、次第に大きくなるころには、心配で心配でいっぱいのお父ちゃん、お母ちゃんたちが港に溢れかえっていました。ソーセージ売りのおじさんもいます。

「ソーセージはいらんかね~。ソーセージはいらんかね~」

 見張り番の人夫が、また大きい声を上げました。

「なんだ!?あの旗は!?」

 王様だって不安で不安でいっぱい。

「だからなんだ?帰ってきた船の旗は?「〇」なのかね?「☓」なのかね?」

 見張り番の人夫はおどおどと答えます。

「恐れながら、船の旗は「〇☓」です!!」

「えっ?なんだって!?」

 王様は目をまん丸くしてびっくりです。


 実は、「〇」を教えても「☓」を教えても、どうにもならない子どもたちの船「〇☓号」も出発の日の前日、長老たちの手によってひそかに港を出ていたのです。
 長老たちの手によって送られたその「〇☓号」が、それぞれ「〇」だけ「☓」だけを教え込まれた子どもたちの船をピンチから救ったのです。だって偏りなく「〇」「☓」両方のことを知っているから。先頭の「〇☓号」に太いロープで曳かれる「〇号」「☓号」、それぞれの船は助け合うことも覚えて、誇らしげ。「〇☓」「〇」「☓」それぞれの旗を海風になびかせながら港にだんだんと近づいてくるたび、港は歓喜に包まれます。

「オラたちの子どもたちが帰ってきた!!」
「やっぱり、〇☓国の子どもたちだ!!」
「ソーセージはいらんかね~。ソーセージはいらんかね~」

 お母ちゃんたちは目に大粒の涙を浮かべて、手を取り合いながら大喜び。王様も誇らしげです。

「えっへん、えっへん。さすが〇☓国のワシの子どもたちじゃ!!子どもたちには、ほうびをくれてやろう!」



 それでは国の長老たち、お爺ちゃん、お婆ちゃんたちは、と言うと。

「ふぉっふぉっふぉつ…やっぱりな。ワシらの子どものころと、おんなじじゃのぉ…」

深いシワでいっぱいの顔をほころばせながら、人でいっぱいの港を後にした、とさ。



((おしまい))



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# by kenya-guitar | 2015-12-14 17:49 | 小説 | Comments(1)


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